2023年は「書く」能力を伸ばしたい

先週末、福岡のIT企業を取材しました。インタビューを終えて退室しようとしたら、お話を伺った方が「話しやすかった」とおっしゃって下さいました。

昨年は、後半から「聞く力」を伸ばすことをテーマに掲げて仕事をしていました。世間には技術論的に「聞く力が大事だよ」と訴える本が沢山あります。そういった論にはいつも違和感を感じていましたが、それらとは一線を画す良書に出合ったことで、何をすべきかがわかったように思いました。「聴いている」姿勢を示すテクニックではなく、言葉にならない気持ちを汲み取る姿勢と言いますか、態度と言いますか……それを書き出すとこの本日のテーマからかけ離れますし、まだまだ道半ばですので、詳細は別の機会に譲ることとします。

聞くことに関しては、これまでも褒めていただいたことは何度もありました。ただし、自分では納得のいくヒアリングができたという感触を持てたことは一度もありません。毎回、取材が終わると自己嫌悪に陥ります。それは今でも変わりませんが、ある期間、意識的に取り組んだことを、年が変わったばかりのお仕事で褒めていただいたことで、一つの区切りを迎えたような感覚があり、別のテーマにも取り組んでみたくなりました。

インタビューライターにとって、「聞く」ことを大事にするということはやめるわけにはいかない基本的な要素です。引き続き研鑽するよう心がけたいと思います。今年はそれに加えて「書く」能力を伸ばすことにも取り組みたいと思います。これも、この仕事をしている以上、当たり前のことです。「書く」ことに関しても満足できた試しなどありませんので、常に、もっとうまくなりたいと思いながら仕事をしていますが、今年はあらためて、外部の知識を取り入れて集中的に勉強しなおしたいと思います。

……なんてことを考えていたら、数年前に取材したお客様からご連絡をいただきました。取材した直後にも一度メールでお仕事の打診をいただいていました。その時に「スマートな」という形容詞で私の文章をお褒めいただき、驚いたことを覚えています。どちらかというと野暮ったい文章しか書けないというコンプレックスを持っているため、嬉しさと恥ずかしさの両方を抱きながらメールを返信させていただいた記憶があります。しかし、書く能力の向上に意識的に取り組もうと思っていた矢先に、私の文章を認めて下さる方からご連絡いただいたことは、偶然ではあるのでしょうが、何か目に見えない力が働いているのかも知れないなとも思います。どちらにせよ、奢ることなく、掲げたテーマを意識しながら、真摯に目の前の仕事に取り組んでいきたいと思います。