先日、あるタレントさんが講師役を務める朗読の勉強会に参加しました。「マーケティングコンテンツ」の制作を請け負う際には必ず取材がつきものです。質の良いアウトプットをするためには、質の良いインプットをしなければいけません。取材は大変重要ですが、私は人と話すということ自体に昔から苦手意識があります。ただ、かつての上司や取材に同行されるクライアントの中には、「聞き出すのがうまい」とおっしゃってくださる方がいらっしゃって、それをよすがにこれまでは仕事を続けてきました。その一方では、苦手意識は克服すべきと思い、コミュニケーション力を鍛えるべく、様々な策を講じても来ました。しかし、苦手意識は一向に克服できないばかりか年々強まっているように感じています。特にここ数年は、ひょっとしたら加齢による衰えではないかという疑いが頭をもたげ始めており、かなりへこんでいたところです。

とはいえ、へこんでばかりも居られませんので、これまでにやったことのないことをやってみようと思い立ち、朗読の勉強会に申し込んでみました。かねてから外国語を習得するためには朗読が有効ということは聞いていましたが、ネットで調べてみるとどうもコミュニケーション力全般に有効であるとおっしゃってる方もいらっしゃいます。その理屈はよくわかりませんが、毎日家にこもって仕事をしている時間が長く、人と会う機会そのものが少ないので、何はともあれ見ず知らずの方の前で声を出すことをテーマに参加してみることにしました。

何か読みたいものがあれば自由に持参するよう事前に知らされていたので、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を持って行きました。この中の鳥捕りと主人公たちのやりとりのパートを読もうと決めていました。自分が読んだ後で、講師役のタレントさんが読んでくれましたが、非常に表情豊かで、聞き惚れました。

約2時間程度の会は楽しく過ぎました。もちろんその程度の時間、少し触れただけで、自分の中で何かが変わるわけではないことぐらい承知しています。今回、始めての参加で感じたことは、話し方を意識的に変えることで、対峙する相手との距離感というか関係性みたいなものを変えることができるんだなということです。人格を変えるところまで(できたとして)やってしまうと、不誠実かもしれませんが、自分に課せられたミッションによっては、その場の空気をコントロールしなければいけない時があります。取材というのはある意味では、聞き手が場を支配する必要があるなと感じていました。これまでは共感力だけでなんとか乗り切ってきたつもりですが、これからは時と場合に応じて使い分けられるテクニックを身につけるべきだなと感じた次第です。

というわけで朗読に興味を持ちました。永井一郎さんが書いた『朗読のススメ』他、ネットで数冊朗読関連の本を注文し、これから趣味を兼ねて取り組んでいきたいと思っています。

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